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製品関連2020/06/12
α-Klothoと脳深部白質病変:頭部MRIによるパイロット研究

本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。
 

京都府立医科大学 地域保健医療疫学/保健・予防医学教室 (公衆保健科学部門) 准教授 栗山 長門 先生らは検診に参加の京都府に在住の280名 (男性187名、女性93名 平均年齢70.8歳) を対象とした地域疫学研究を実施、被験者の同意を得て頭部MRI、APOE4遺伝子検査、ならびに血中のα-Klothoの測定、MMSEなどによる認知機能検査を行い関連を解析しました。
この結果 頭部MRIにより深部白質病変をスコア (Fazekas分類 G0~G3) で評価した場合、G0群ではα-Klothoの血中レベルが最も高く、グレードの進行に従い、血中レベルが低下 (G0 : 685.1 pg/mL、G1:634.1 pg/mL、G2:596.0 pg/mL、G3:571.6 pg/mL 各G0: 68名、G1:134名、G2:62名、G3:16名) していたこと、またこのグレードの進行は同様にMMSE認知機能評価のスコア低下を伴っていたことなどを明らかにしました。 

Association between α-Klotho and Deep White Matter Lesions in the Brain: A Pilot Case Control Study Using Brain MRI. Kuriyama N et al. J Alzheimers Dis. 2018;61(1):145-155. 

(背景)
深部白質病変は血管性認知症の原因となるとして関連が知られています。また頭蓋内での動脈硬化に起因する深部白質病変は認知機能低下の独立したリスク要因であり、老年性認知症の治療上、重要であると考えられています。一方で初期段階から深部白質病変を正確に反映する臨床指標はこれまでありませんでした。

α-Klothoは抗加齢に関与する蛋白として、これまで主に慢性腎臓疾患との関わりが研究されてきました。近年、血管、脳 (脈絡叢および下垂体)、腎臓、呼吸器などでの発現と保護作用についての多くの研究がなされ、α-Klothoを標的とした創薬研究も米国を中心に行われています。

本論文は 血中α-Klotho低値は深部白質病変のグレードと相関し、認知機能低下の独立したリスク要因であると明らかにし、α-Klothoが脳ドック検診などにおいても血管性認知障害の有用な指標となる可能性があると結語しており注目されます。

本報告では、血漿中α-Klothoの測定に、当社 #27998 Human soluble α-Klotho Assay Kit - IBL が使用されています。

尚、この他にも、当社では アルツハイマー病関連製品 を豊富に取り揃えております。

皆様の研究活動にお役立て頂ければ幸いです。

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