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製品関連2019/10/10
血中可溶性OX40高値は進行大腸がん患者の短期生命予後に関連する

本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。
 

東京慈恵医科大学 悪性腫瘍治療研究部 本間先生らは進行大腸がん患者(22名)の血中で可溶性OX40を測定し、可溶性OX40は 1)進行大腸がん患者血中では、健常者と比較して有意に高く、2) 腫瘍マーカーであるCA19-9, CEA、ならびにCRP、可溶性PD-L1と正の相関、血中アルブミンと負の相関を示すこと、さらには 3) 可溶性OX40高値は短期の生命予後と関連していたことなどを明らかにしました。

Sawada R et al. High blood levels of soluble OX40 (CD134), an immune costimulatory molecule, indicate reduced survival in patients with advanced colorectal cancer. Oncol Rep. 2019 Sep 6.  

(背景)
T細胞に発現するOX40と抗原提示細胞上に発現するOX40Lの相互作用はT細胞の活性化、抗腫瘍活性に重要な役割をはたすことが知られており、これまでいくつかの非臨床研究が抗OX40アゴニスト抗体やOX40L-Ig 融合蛋白によるOX40刺激が抗腫瘍活性をもたらすことを明らかにしていました。

一方で可溶性OX40の進行がん患者での血中の存在と臨床意義は明らかではありませんでした。

がん治療において、微小環境の免疫状態は重要であり、がん組織へのリンパ球の浸潤はがんの増殖、転移、治療抵抗性、治療予後と関係すると報告されています。また、がん治療においては免疫チェックポイント阻害剤(PD-1/PD-L1阻害剤)が登場して注目されています。今回、PD-1/PD-L1 とは別の経路でT細胞の活性に関わるOX40について、進行がん患者で、可溶性因子の血中高値が短期の生命予後と関連したことは大変興味深いと考えられます。

本報告では、血漿中可溶性OX40の測定に、当社 #27110 Human CD134/OX40 Assay Kit - IBL が使用されています。

皆様の研究活動にお役立て頂ければ幸いです。

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