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- 製品関連2018/12/12
- シロスタゾールは皮質下小血管梗塞患者の血漿中炎症バイオマーカー値を低下させる:パイロット研究
本IBLニュースで紹介している当社の製品は、研究用試薬であり、診断や医療目的に用いることはできません。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター もの忘れセンター副センター長 佐治直樹先生らは、皮質下小血管梗塞を発症した患者41名について、抗血小板剤の投与(アスピリン単独群vs.アスピリン+シロスタゾール併用群)、治療予後と血漿中の炎症性因子の関係を解析した結果、進行性脳卒中をきたした患者群では血漿MMP-9, 高感度CRPが高値であり、シロスタゾール併用群では血漿APP770が低値傾向であったことを明らかにしました。
Cilostazol May Decrease Plasma Inflammatory Biomarkers in Patients with Recent Small Subcortical Infarcts: A Pilot Study. Saji N et al. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2018 Jun;27(6):1639-1645. PMID: 29454567
(背景)
近年、脳小血管病変が脳梗塞と認知症の共通リスクとして注目されています。特に、皮質下小血管梗塞(ラクナ梗塞やBranch atheromatous disease)は、進行性脳卒中や再発性虚血性脳卒中のリスクであり、進行性脳卒中をきたす場合は機能予後が不良になります。また、認知症のリスクにもなりえます。
シロスタゾールは、抗血小板作用と抗炎症作用によって非心原性脳塞栓症、特に皮質下小血管梗塞を伴う患者において、進行性脳卒中に対し予防的に作用するという報告があります。しかし、薬剤の保護作用や血液中の炎症性因子との関係はこれまで詳しく調べられていませんでした。また、APP770は認知症のバイオマーカーとしても認知されつつあり、脳梗塞と認知症の関連を考えると興味深い事象です。
APP770が脳血管へのアミロイドβ沈着を示唆することから、シロスタゾールが脳梗塞発症後の認知症への進展予防に寄与する可能性についても、本研究で考察されています。
本報告では、血漿中APP770の測定に、当社 #27736 Human APP770 Assay Kit - IBL が使用されています。
尚、この他にも、当社ではアルツハイマー病関連製品を豊富に取り揃えております。
皆様の研究活動にお役立て頂ければ幸いです。
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